ベトナムで働く情報システム部門労働者の賃金・利益・技術に関する2017年の年次報告

東南アジアの求人情報ウェブサイト「キャリアリンク」は、ベトナムで働く情報システム部門労働者の報告・利益・技術に関する2017年の年次報告を発表しました。

報告書に記載されている情報は、キャリアリンクに過去数年掲載されたIT関連の求人や、ベトナムの2,400人の情報システム部門労働者や70の企業で行われた調査で集められたデータに基づいています。
情報技術部門で働く労働者を支援するための手段の提供を目的として、今年から毎年、こういった類の報告が行われることになっています。雇用のニーズやベストエンプロイヤー企業の関連会社、スキルの傾向の予測に関する最新の情報を通じて、ベトナムの情報技術部門の人材が多角的なスキルを身につけ、世界のプログラマーたちと肩を並べられるようテック系の職業を増やし、活性化させるために利用することが目的です。

IT産業での職業需要の高さは過去最高 この先数年は伸び続ける見込み
およそ3年の間に、IT関連の求人数は5倍になっています。2013年にキャリアリンクで掲載されたIT関連の求人数は2,892件でしたが、2016年には15,821件にまで増えました。ベトナムは、ITアウトソーシングサービスを多く利用できる国の上位に位置付けられています。15年前のIT産業は大手アウトソーシング企業にほぼ独占されていましたが、現在は国内に開発センターを設置する商品開発企業が増えたことで、質の高いITサービスを提供できるようになってきています。ホーチミン市は、2016年のテック系企業の求人の53%を占めており、中枢の座を維持しています。また、同年43%の求人があったハノイ市のテックシーンも成長中です。

月収2,000米ドル以上を稼ぐベトナムのプログラマー
2016年のキャリアリンクから集めたデータや、ベトナムのIT系求職者の調査結果をもとに算出されたソフトウェアエンジニア一人あたりの月収は、最新技術に携わったことがある場合で1,300〜2,200米ドル以上とされています。Objective-CもしくはPHPのスキルを持つ場合の報酬が高いようです。

この調査に参加した雇用者の81%は、2017年に実績評価、給与査定を行う予定だとしており、さらに6〜20%の昇給が見込まれます。

魅力と多様性が増す情報技術部門エンジニアの特典
IT市場の競争力は高まり、そこから得られる利益は、情報技術部門の労働者を惹きつけ、維持するための重要な要素になっています。ITエンジニアは、適正な報酬を得ることで、雇用者側の配慮を感じており、評価しています。従業員給付制度の重点がモチベーションの向上と正しい評価に置かれているのです。企業側は雇用の機会やボーナスだけでなく、「くつろげる」ようなオフィススペースの提供にも努めています。海外IT企業でも、従業員の特典は様々です。研修に伴うキャリアアップや、アメリカ・ヨーロッパ・日本・オーストラリアなどへの出張、13カ月、あるいは14カ月手当、ボーナス、持ち株制度、開放的で現代的な職場、仕事と生活の調和に伴う柔軟な労働時間制などがあります。

キャリアリンクの調査では、情報技術部門で働く労働者の40%が現在より高い報酬、従業員特典の申し出があれば転職を考えるだろうと答えています。雇用者にとっては、テック系労働者を企業に留めておくこと、そして魅力あるオファーを行うことが大きな課題でしょう。

ITエンジニア志望者に重要となる認定資格
IT認定資格は志望者の採用の基準となります。雇用者側は認定資格の価値を認めており、資格取得にかかる費用の支援を行ってくれます。プロジェクトマネジメントや、アジャイルソフトウェア開発・シスコシステムズ・マイクロソフト・アマゾンウェブサービスなどは、企業が認める認定資格の上位に入ります。

IT企業の54%はIT関連の資格認定を持つエンジニアには高い報酬を支払うことをいとわないでしょう。
ほとんどの企業には、従業員の仕事に関する資格認定取得をサポートするための方針があるようです。IT技術者は、英語やIT技術、リーダーシップ・プロジェクトマネジメントなどのスキルアップの研修費の面で、企業のサポートを受けることができるとの調査報告があります。また、志望者の79%が、オンラインの文書で独自に新たなスキルを身につけたともされています。

2017年IT業界の雇用トレンド
このレポートでは、2017年に人事担当が求めるプログラミングスキルのトップ5が明らかになっています。JavaScript・PHP・C#・HTML5・Javaの5つです。2017年は特に、JavaScriptとJavaScriptに関するフレームワークの需要が高まるでしょう。また、調査を行った企業の50%以上が次年度の採用計画ではその需要を抑えています。さらに、AngulaJS(JavaScriptで書かれたオープンソースのウェブフレームワーク)や、ネイティブモバイルプラットフォームに関する知識があり、実際に携わったことのあるIT技術者は、今年はかなり多くIT関連企業で雇用されるでしょう。

2017年は、世界のテクノロジートレンドに関連のあるスキルがベトナムのIT市場に影響を及ぼすでしょう。クラウドコンピューティング・ネットワークセキュリティ・ビッグデータ・IoT・ドッカーなどの需要は高く、現在の流れに後れを取らないためにも、このトレンドを認識しておくことは重要と言えます。

今回の報告者を代表して、キャリアリンクのヒエン氏は次のように述べています。「我々は今年、何百ものIT企業からの仕事を請け負い、ITエンジニアの要求や期待などをよく知るために何千人ものITエンジニアと会いました。このレポートを通して我々が担う仕事は、ベトナムのテック系労働者に現在のIT雇用市場の報酬や特典、スキルについての実情を伝えることです。ベトナムのITシーンは今、かなり熾烈な戦いが繰り広げられている国の一つでしょう。ぜひとも良い方向へ持っていきたいものです。」