ベトナムの人々と上手く働く

ベトナムは2007年にWTOに加盟しており、ベトナムでビジネスを展開しようという海外企業が多くのチャンスを手にしています。ワールド・エコノミックによると、ベトナムにはすでに、海外投資家にアピールするに足る多くの競争メリット、強い投資環境が備わっているようです。文化の違いで起こるトラブルを避けるためにも、ベトナムだけではなく、日本の企業においても技能実習制度を利用して訪れるベトナム人が増えており、ベトナム人の同僚・パートナーと上手くやっていくためのお薦めの方法をいくつかお教えしましょう。これで、ベトナムでビジネスを成功させる可能性もアップするはずです。

ベトナム流ビジネスとエチケットを理解する

ベトナム戦争の名残と経済の激動を乗り越え、ベトナムは現在再建を果たしつつあり、世界の基準に追いついてきています。ベトナムの人々と仕事をするにあたって、ベトナムの歴史、文化的価値観、ビジネスのやり方をよく知っておくことは必須事項でしょう。

ベトナムではビジネスのやり取りは主に紹介から始まります。基本的に、ビジネスでの関係構築には他の関連業者などからの紹介がベースとなっているのです。ただ現在は、インターネットや、ベトナム企業の競合性を利用して、直接コンタクトを取ることも一般的になっています。

ベトナムのビジネス上の関係は、必然的に社会的関係と重なります。家族や趣味、将来への展望など、個人的なことを共有するほど、ビジネス上の関係も近くなるのです。

さらにベトナムでは、年長者への礼節が大切です。国営企業や政府機関の場合は特にそうでしょう。これは上手く交渉を進めたい場合に重要です。
また、相手の顔を立てるということも、ベトナムではかなり重要です。相手の階級や年齢に応じて、きちんと敬意を表す必要があります。失礼のないよう、ベトナムでビジネスのやり取りを始める前に、アドバイスなどを受けておくと良いでしょう。

接待もまた重要な要素です。接待での食事やパーティーは、ホテルやレストランで行われます。ベトナムのビールや輸入ワイン・お酒などが食事についてくることもよくあるので、接待の相手方と乾杯を交わしましょう。食事の後は一緒にカラオケというパターンもあります。

ベトナム流のビジネス文化やエチケットを簡潔にまとめることは簡単ではありません。バーチャルチームや、ジョイントベンチャー、事業を組む際、ベトナム人の同僚や仲間とうまくやっていくために、文化的な知識やスキルを高めることは必須です。ここまでで述べてきたことは、最初のステップとしては基本的なことと言えるでしょう。

ベトナム人の考え方を理解し、慣れる

人の考え方というものには偏りがあり、なかなか変えることのできないものです。けれども、ベトナム人の働き手を導く経営者として、次のことを頭に入れておく必要があります。
まずは、ベトナムの仕事仲間の心の「声」を学ばなければなりません。そのためには彼らの言葉や行動を観察・分析しましょう。彼らの習慣・性格・思考態度を理解し、様々な状況に対する解釈や反応を知ることは、彼らの考え方を向上させたい場合に役立ちます。

続いて、ベトナム人とはユーモアを交えて明るく会話をするのが良いでしょう。人を元気にさせるような会話は大きな変化をもたらしてくれます。改善してほしい点は冗談を交えて、改善のためのアイディアを巧く伝えましょう。ただ、覚えておかなければならないのは、彼らの価値観を高めたいなら、まず変化をもたらすことのできる影響力を自分が持つことです。自分が模範となる以外に道はありません。

そして、スタッフ達に積極的に行動するよう声掛けをしましょう。彼らが正しいことをしたときは、しっかり称賛することです。責任感を持たせ、仕事のレベルを上げてあげましょう。最近のベトナムニュースのインタビューで、海外の経営者達は、自分の会社のベトナム人スタッフは熱心に働き、自分達の仕事に興味を持ち、責任を持っていると述べていました。もし、あなたの部下にそのような様子が見られなければ、しっかりと導いてあげましょう。自分は良い経営者で、素晴らしい雇用者を育てることができると信じましょう!

ベトナムの人々は概して正直で人なつっこい性格です。ベトナム人の仕事仲間の習慣や行動をいったん理解できれば、良い関係を築くことは難しくありません。また、どこの経営者も楽しい雰囲気を作りたがるものですが、最終的に重要となるのは、ビジネスの主な目的は効率良く利益を上げるということです。個人レベルでは、誰かに無理強いされると失敗するかもしれません。ベストな方法は、巧く導いていくことでしょう。ベトナムはこれからの国です。想像しているよりももっと素晴らしい経験をすることができるはずです。

つまるところ、「人生は旅であり、目的地ではない」(Ralpf Waldo Emerson)のです。どんな決断を下すにせよ、それはあなたが決めることです。ベストを尽くしましょう!