縫製工場 事業拡大のため労働者の需要増
ホーチミン市では旧正月の休日シーズン(テット)を終え、多くの縫製・繊維企業が、業務拡大のため従業員の追加募集を行っています。
ホーチミン市輸出加工区・工業団地管理委員会(HEPZA)の労働者管理事務所のトラン・コン・カイン所長によると、HEPZAは現在29万人の労働者を抱えており、そのうち95%が旧正月の休日を終えてホーチミン市に戻ってくるとしています。残りの5%は、休暇を延長しているか転職したそうです。
また、ホーチミン市の人材需要予測・労働市場情報センター(FALMI)は、旧正月後は労働者が3万人不足したとしています。不足したのは主に不動産・IT関連事業・電気エレクトロニクス・土木・縫製繊維・製靴・ロジスティクス・輸出入・人的資源管理部門です。
FALMIのトラン・トゥアン・アイン副センター長は、旧正月の祝日後の地元工場での労働力が安定していることを強調しました。企業サイドの従業員への待遇が良くなっている一方で、ほとんどの労働者が求めているのは、安定した職だということです。
ほとんどの企業は十分な労働者を抱えていますが、縫製繊維・加工処理・サービス飲食部門では、8〜10%の従業員の不足が見込まれています。その理由は、旧正月後の生産拡大です。現在、国内縫製会社の多くは多数の労働者を必要としています。
ホーチミン市第9地区のフォン・フー・インターナショナル合弁会社の下請けを行っているジーンズ工場のディン・ティー・トゥアット代表は、できるだけ多くの労働者を必要としていると話しています。フォン・フー・インターナショナル合弁会社は、2月22日(旧歴の1月7日)に生産を再開しましたが、まだ労働者の多くが近隣の省から戻ってきていないのです。
旧正月後はたいてい、数十人の労働者が転職するとトゥアット代表は言います。その理由は、主に輸出用製品の生産拡大に対応するために大量雇用が行われるからだそうです。
同じく第9地区のウエン・リン ・生産貿易株式会社 もまた、100〜300人の縫製工を必要としています。この会社での月収は、600万〜800万ベトナムドン(265〜350米ドル)ほどで、ほかにも福利厚生があります。
ホーチミン市の縫製繊維組合(AGTEK)によると、縫製繊維工場は第一四半期に多くの受注があり、第ニ四半期分も2018年元旦から注文が来ているということです。
AGTEKのファム・スアン・ホン 組合長は、縫製繊維部門は2018年に10%の成長を目指していると話しています。新規市場も明るい兆しが見られている一方で、アメリカやEU、日本などのベトナムで重要な輸出市場の需要も安定しています。
ホン組合長は、縫製繊維部門の事業の可能性を強調します。小企業は市場のすき間に目を付け、小規模ながら高価格で参入し、大企業は大きな市場に参入しているというのです。
企業のほとんどは、求職者の経験や技術、購入注文に応じる際の儲け、そして市場を拡大する際のメリットを視野に入れて動いています。