ベトナム 第4次産業革命(インダストリー4・0)の体制が整っていない国に仲間入り

世界経済フォーラムのレポートによるとベトナムは、教育、人材、革新技術の面で低い位置にランクするとしています。

世界が第4次産業革命に突入し、この先ベトナムには多くの課題があるようです。その理由は、世界経済フォーラムでベトナムにはその体制が整っているないとされたからです。

世界経済フォーラムが評価したように、ベトナムは教育、人材、革新技術の面で低いランク付けがされていますが、これらの要素は全て第4次産業革命には欠かせないものです。

「将来の生産のための準備報告 2018」では、世界経済フォーラムが100カ国の分析を行っています。その分析はまた、世界の製造付加価値(MVA)の96%以上を占める経済圏や、世界各国の国内総生産(GDP)にも及んでいます。

分析の評価は、生産の牽引役から生産構造に至る59の指標で構成されています。

評価は1から10までの10段階でされていて、ベトナムは、生産の牽引役部門は4.9ポイント、生産構造部門では5.0ポイントで、シンガポールや、マレーシア、インドネシア、タイに遅れを取っています。

また、技術革新部門は90位、テクノロジープラットフォーム部門は92位、革新能力部門は77位、人的資本部門(労働者の技術や経験をもとに評価)は70位、大学の質部門では75位、数学・科学教育の質では68位、職業訓練の質では80位となっています。

グェン・スアン・フック首相は昨年12月、ベトナムは労働者のため、そして包括的な情報技術システムがデジタル経済に貢献できるように、さらなる技術訓練の供給が必要であると述べています。

また、デジタル技術部門に貢献できる高いスキルを持つ技術者を100万人以上雇用することを目標に定めました。

5月にはベトナムが第4次産業革命に加わるための力を強化するよう勅令を発行しています。

フック首相はベトナムが重視しなければならないことは、第4次産業革命のチャンスを掌握し、負の影響を最小限に留めるために、技術革新への投資事業をサポートしつつ、情報技術インフラの発展を行うことだと指導しています。

テクノロジー・コミュニケーションの分野でベトナムは、2018年までに安定した完全な4Gネットワークを整備させるとしています。IoTの需要に応えるための5G技術の調査・開発もできる限り早く始動させる予定です。

ベトナムが重要視している科学調査・教育分野の項目は、数学・物理・情報技術・基礎科学です。また、先端技術研究・生産の質を向上させるための革新技術・知的財産・生物学工業は、最優先で取り組むこととなる予定です。

世界中で起こっている第4次産業革命は、デジタル・物理・生物学的技術とIoT・AIの融合に基づき進められ、社会経済生活のあらゆる面に強い影響を及ぼしています。また、生産手段や労働力に変化をもたらしているとされています。

世界経済フォーラムが評価した100の経済圏のうち、生産の本質が変わることで利益が得られるベストポジションについていると報告されたのは、ヨーロッパ・北アメリカ・東アジアの25の経済圏だけで、以下の国がそうです。

オーストリア・ベルギー・カナダ・中国・チェコ共和国・デンマーク・エストニア・フィンランド・フランス・ドイツ・アイルランド・イスラエル・イタリア・日本・韓国・マレーシア・オランダ・ポーランド・シンガポール・スロベニア・スペイン・スェーデン・スイス・イギリス・アメリカとなっています。

また、世界経済フォーラムによると、ロボットの販売はおよそ70%が中国・ドイツ・日本・韓国で行われていますが、中国が最速の成長を見せているようです。